2006-01-01から1年間の記事一覧

砂連みさ、中山ケンジ、森下洋子

砂連尾+寺田@駒場あごら劇場は、黒い壁にチョークがポイント。振付、アイデアも面白いが、やはり寺田みさこの動きが売りだと思う。素早く独特のダンスのボキャブラリーは、彼女の場合、ダンス的ではない動きにも有効だ。そしてそれを支えるのが二人のつなが…

今日吉祥寺シアターにいかないと

一生の不覚。 といいたくなるくらい、人に伝えたい、面白い舞台を見た。しかし中身はネタばれになるので、書けない。いまやっている梅田宏明、鈴木ユキオ、遠田誠、三人の振付家の作品。その一つは、舞台の途中で思わずみんな拍手してしまうほど、面白いかっ…

朱霊たち

フランス在住の舞踏家、岩名雅記の監督による劇映画。初監督作品。パスカル・マランによる撮影は美しくタイトな映像で魅惑的だ。戦後の日本の奇妙な話をオープンセットとノルマンディの城などのロケで展開。子役に舞踏家澤宏、長岡ゆり、首くくりたく象など…

篠原有司男VS松蔭浩之、会田誠

ギャラリーナディフで篠原展「毒ガエルの復讐」、松蔭とのトーク。篠原はボクシングペインティングで知られる。実は高校時代彼の『前衛の道』を読んでネオダダとその時代、ハプニングにひかれた。虹色に輝くその本がこのたび復刻され、会田らとの対談集も刊…

枇杷系、大倉摩矢子、佐々木満他

枇杷系は始まりがインパクトがあった(吉祥寺シアター、9.9)。ホリゾントのシャッターがゆっくり開き逆光のなか、倒れている女性、真ん中で一人がうわむき、頭をこちらにしてゆっくり進んでくる。奥にはバイプの足場。ぞくぞくした。 大倉摩矢子はこれまで…

中村公美、若尾伊佐子@ アウトラウンジ

約三十分ずつのソロ。中村は黒いキャミ風にパンツで壁から伝い始めて床を這う。貼られたガムテープを剥がし床に目立つ傷を探す。その場面で、中村の魅力が見え始めた。さらに上向けに両足を折ってたおれた姿もいい。そして音楽が日本のはっきりした歌詞の曲…

風倉匠、池田・吉野、二パフ

日本の前衛バフォーマー、美術家、風倉匠展が銀座四丁目のギャラリー58で開かれ、美術家池田龍雄と吉野辰海のトークが行われた。話はあちこちに流れたが、当時の匂いが感じられた。 翌日はキッドアイラックホールでニバフ、日本パフォーミングアートフェステ…

若冲の盗撮者、篠井から畳半畳へ

三の丸尚蔵館で動植採絵、第五期。ようやく最後で30幅見たことになる。今日は薔薇小禽図にひかれる。あの右上の黒い網のような部分は何を描いたのか、白抜きの小さな花にも見える。のみならず不思議な薔薇の構成で、絵に独特の力がある。 見ていたら小さなカ…

森山開次「KATANA 」種子田郷など

森山開次はいいダンサーだ。昨年ダンス白州で土と格闘する姿が印象的だったが、今回は種子田郷の音、能楽師の声と格闘しながらも、自分の世界を構築した。刀、書、能楽など日本的モチーフを使いつつも、種子田の生音から作ったノイズ的サウンドや動きは、い…

デ・オリヴィエラ展

スバイラルガーデンで展覧会「アマゾンへの懸け橋」でライブペインティング。シュールな自然とでもいう感覚は面白い。パリで学んだ技術も確かで気さくな50歳。 志賀信夫

大橋可也はやはり凄いよ

吉祥寺シアターでマチネとソワレ一日だけ。新人の宝栄にバケツを被せて首を振らせる、古舘の一方向の動きのリフレイン、ミウミウと皆木のデュオなど、それぞれ印象的だが、圧巻は垣内友香里と神村恵のコンビ。スキンヘッドの垣内と普段着の神村が観客席にい…

越後妻有トリエンナーレ、ヒグマ森

25日早朝、新潟の十日町へ。第三回トリエンナーレ。車もなく作品も地域も拡大したためバスツアーで回る。二日通して印象が強いのはボルタンスキー。廃校を独特の暗く人の潜在意識に働きかける作品にかえた。カルマンの照明も効果的で、日常的な素材を巧みに…

若冲と江戸絵画を見る

若冲人気は鰻登り。平日朝開館時間から行き、目当てを先にゆったり見る。休憩は鶴屋吉信の白桃シャーベット420円。カチカチだけどピュア、シンプルな味が二つ割りの白桃に詰まっている。見逃される親子コーナーのプライスコレクションから常設の若冲「鶏扇面…

玉野黄市還暦舞踏@ ゴールデン街劇場

土方巽の初期からの弟子玉野黄市は早くに渡米し、ロスで舞踏活動をして、国際化の一翼を担ってきた。その動きと世界は独特のものがあり、舞踏創世期の匂いを感じさせる。その玉野も六十、師土方巽より長く踊る。 新宿ゴールデン街は活気が戻っているが、そこ…

ダンス白州、大野慶人、福士正一、上杉貢代、田中泯ら

ここに来ると大勢知人に会う。知らなくても話すとだれかとつながっている。国内外、大きなネットワークが、山梨に集約する。 17日竹林。佐成哲夫は地面に横たわったところから、彷徨い始めた。そして倒木によじ登る場面はかなり絵になった。石原志保は農家の…

神村恵VS種子田郷

神村恵はいま最も面白いダンサーの一人。愚直に自分の動き、踊りを追求している。いわば手塚夏子、大倉摩矢子などに共通して、踊りへの意識が見える表現者だ。種子田郷はマックのクリック音や自然音を加工し独自の音を模索する音楽家。どちらも求道的かつた…

ささらほうさら、ほうさらさらら

ラクダカン出身の安田理英率いる女性だけの舞踏グループ。音楽とともに魅せる部分はあるが、後半が少々冗長。音楽と合わない部分を多用し、インバクトを与えてほしい。 写真は 車中で熟睡、夏の酔い

日本画展から濡れる肉体へ

横浜美術館で俊英による日本画?展。春の都現代美術館と松井冬子だけかぶっているが、違う作品で可能性を示した。中央に展示された横長の大きい作品は、森のような空間の裂け目から、水の溜まる廃墟のような暗い空間を差出し、見たことのない感覚にひきつけ…

鶴山欣也、山本萌

海外からのゾラ、ヒメネスら三人を舞台にのせた。よく見るとそれぞれ動きが面白いが、伝わりにくい。個々を立たせ見せる工夫が必要だった。鶴山はさすがにしっかり存在感を見せていた。 山本萌は尺八の関野秀男と奇妙な呼吸から舞台に入ったが、山本当初かな…

神とユッスー・ンドゥール

と書くと、神様のようだが、「ダンスがみたい」の神雄二の舞台だ。最初は川野真子とのデュオ。クラシック一曲で通す潔さはいいが、川野の持つ奇妙な要素は出ずに真面目。最後に朝の食卓が作られるがアクセント程度で意味はない 二つ目は蝿男の話で役者を二人…

笠井叡VS高橋悠治@セッションハウス

6月21日、5週4回公演のラスト。 高橋悠治がピアノでバッハの「フーガの技法」を弾く。ポロン、こぼれるように流れる音はポロン、こぼれるように流れ、それが次第に舞台に満ちていく。初回は音の雨、音符の降るなか笠井がそれを浴びながら踊っている印象だっ…

秘する肉体 大野一雄の世界

大野一雄100歳記念写真集が出た。「秘する肉体(からだ)大野一雄の世界」クレオ刊。四十数名の写真家が捉えた、五十年代からいまに至る半世紀、大野の姿がそれぞれの眼差しで描かれており、非常に見応えがある。写真で描く大野一雄史、といえるものだ。見続…

ナーゼリーを聴く

イランのクルド民族歌手シャハラーム・ナーゼリーの舞台。叙事詩シャー・ナーメを歌い、スーフィズム、イスラム神秘主義の詩を歌にする。弦1または2、パーカッション2の構成。たぶん3、4弦のオープンチューニング、ワンコードのリフレインが基本で、円盤状の…

相良ゆみVS 倉嶋正彦@ZAIM.0722

大野一雄のところで相良ゆみと出会ってから何年もたつ。竹を持たされて従順に振る舞うさまは、真面目な人との印象を越えるものではなかった。 だが脇川海里のイマージュオベラでアラベスクをやったときに、その存在感にオヤと思った。それは旗揚げで全体とし…

森繁哉、福士正一、阿部利勝

神楽坂ディブラッツに東北舞踏襲来、二日間打ち上げで朝。写真は照明を担当した平地康浩 志賀信夫

ダニエラ、正朔

オーストリアの舞踏家。日本、駱駝艦で修業してキャリア6年。オーストリアに帰り舞踏グループを立ち上げ、秋に初公演予定という 下手手前にツンのみでしゃがみ動きだすポーズがいい。美的意識がはっきりしている。そして捩れた姿勢のアンバランスさが魅力。…

ブラックブランブール、ちろり

渋谷AXでフランスのブレイクダンスグループ、ブラック・ブラン・ブールなどのダンスライブを見る。東京の夏音楽祭の企画のためか、ダンス批評関係者、内野儀、高橋睦郎さんらの姿も見えた。 前日ワークショップやミニライブなども見たが、際立ったテクニック…

最上和子、ほうほう堂、今野真弓

最上和子は舞踏家。ストライプハウスギャラリーで井桁の球体関節人形とのデュオを踊る。最上をモデルに作った分身のような存在と独特の風景を作りだした。それ以上の踊りか立ち上がるかはこれからだが、人形と最上がどう付き合うかにかかっている。何かが生…

菊島延幸

暗転から光がさすと下手上に何か足らしきもの。その下は坂、板が立て掛けられ、上に人がいるようだ。かなり急な傾斜からゆっくりと姿を表す。この出だし、登場がいい。ゆっくりと降、伏し、壁に向かい、倒れる。緊張感がある。さらに中央で、横たわったまま…

浅井微芳、若冲、笠井叡VS高橋悠治

三の丸尚蔵館への途中。パレスホテルのギャラリーに人だかり。書家の浅井微芳によるパフォーマンスだった。テクノっぽい音楽をかけながら、大きい紙の周囲に何十組もの筆と硯を置いて書き続ける。墨も茶墨、緑墨、金粉を混ぜたものまでさまざま。穂の長い筆…