2009-11-01から1ヶ月間の記事一覧

工藤丈輝、藤間蘭黄、加藤啓

★11月24日キッドアイラック ヒグマ春夫の映像、工藤丈輝の舞踏。ヒグマは映像自体よりもその投影に意味を見出だしているようだ。紗を何枚も配置して空間を作り、それによる映像の変化を楽しむ。さらにカメラを操作して映る姿と位置を変える。上手サイドと正…

マウスト、飴屋法水、大森政秀

★11月22日 モレキュラーシアター『マウスト』カンバス、2009.11.22 小さい空間を三方から観客が取り巻き、たくさんのマイクが観客に向けられている。録音された言葉が小さく流れ、白い四角い床照明の上でそれを復唱する座った出演者と、立ってじわじわ動き踊…

松下正己はやばい、いい

★11月21日 松下正己、ソロ、中野・スタジオサイプレス 踊りをきちんと自分の中にいれて、そこから引き出してくる。そういうシンプルな作業ができずに、思い込みだけで自分の踊りを踊っている気になっている踊り手が多いなか、きちんと踊りと向き合う踊り手を…

青森県のせむし男

★11月18日ギャラリールデコ 北海道の劇団風蝕異人街は1997年に結成し、今回39回公演というから、毎年三本は上演している計算になり、活発な活動状況。利賀村のコンクールでも受賞するなど知られ始めている。寺山修司を中心にイヨネスコなどをレパートリーと…

目黒大路、黒田育世

★11月16日 目黒大路「この物体」d倉庫 グループ・ヌードを結成しているが、今回ソロ。これがいさぎよい。無音、姿も上半身裸にスラックス 真上からの光、サスだけで場所も一歩も動かずにその場で踊り続ける前半が圧倒的 後半は自分の声、テクストは佐々木克…

ヨゼフ・ボイスを召喚せよ?!?

★11月15日 五時間半というシンポジウムで水戸に集まる人々は何を求めているのか ヨゼフ・ボイスはスターなのか、ヒーローなのか、カリスマなのか、あるいはトリックスターなのか フルクサス、アクション、コヨーテ、撃墜、欝、緑の党とエコロジー、社会運動…

高襟、大串孝二、井上みちる

★11月14日 ・高襟。押上のスタジオウノにて。くつろぐ女性たちの映像が客入れから。三階のリビングやキッチンの映像とリンクしながらの舞台はなかなか楽しい。ちょっと体が感じにくいが、アイデアと意欲、パワーは抜群 ・大串孝二は美術家、パフォーマー。最…

若冲から

★11月3日 皇室の名宝展の前半の目玉が伊藤若冲の動植採絵。こんなに大衆化するとは誰も思わなかった。しかし日本画に関心を抱いたときに、入りやすい対象といえる。幕府お抱えとなった狩野派が世襲的に芸術性を失い、官製美術のつまらなさを曝け出したゆえに…

上杉満代、田辺知美、解体社

★11月2日 隔月で一年踊る上杉満代。今回はさらに見応えがあった。何気なく舞台に入るようですぐにその場の空気を変えてしまう。前回はすべて削ぎ落とした極みを踊った。しかし今回、タイトでありながら芳醇。ホリゾントの壁に立つ姿、斜め後ろから照らした光…

宇田川心中は必見の芝居、H3

★11月8日 小林恭二作、金守珍演出の『宇田川心中』は傑作。劇団1980と新宿梁山泊の合同公演は新劇系とアングラの要素が混じり合い、小林恭二の複雑な芝居を明解かつアングラの匂いを漂わす見事な舞台とした 物語は渋谷道玄坂と神泉、宇田川町。心中物の小屋…

維新派『ろじ式』

★10月31日 維新派久しぶりの東京公演はフェスティバル・トーキョーのオープニング。西巣鴨の学校跡は維新派の屋台村によって祭りの気分 舞台は恐竜の骨や化石などが木枠に収められた立体を重ねて作る奇妙な空間。それを組み合わせ移動して路地を作り、そこを…

おかまが乱舞の舞台と叙情

★11月1日 劇団唐ゼミの『下谷万年町物語』を浅草花やしき裏のテントで見た。二十数年前に、蜷川幸雄演出、西武劇場で見た唐十郎の問題作に中野敦之が挑戦した おかま長屋の見事な再現と流れる叙情、ロマンを見事に描き出した。ヒロイン、少年のキャラクター…