若冲と江戸絵画を見る

若冲人気は鰻登り。平日朝開館時間から行き、目当てを先にゆったり見る。休憩は鶴屋吉信の白桃シャーベット420円。カチカチだけどピュア、シンプルな味が二つ割りの白桃に詰まっている。見逃される親子コーナーのプライスコレクションから常設の若冲「鶏扇面図」へ(写真)。静養軒は混んでいたので、出店のアジアンカフェでカレーパン80円。揚げてない小さいパン。戻って冷水を飲む。そして若冲以外など全体を見る。
若冲では葡萄図がすばらしい。構図の巧みさ、描写の繊細さと大胆さに引き込まれる。椋鳥の絵はたぶん裏彩色してあるだろう。こう見ると裏打ちが墨紙と思われるものは少ない。どうして動植採絵だけそうなのだろう。
コレクションは概してわかりやすい絵が多い。主題や絵柄がくっきりしている。虎図が多いのもそのためだろう。ゆえに無名でも面白い作品が見られる。ガラスケースを外し照明を変える試みも楽しい。できればすべてガラスケースを外してほしい。過剰な保護で美術館に埋もれるよりは、少なくとも絹目のわかる距離で見たいものだ。そのほうが日本画の繊細な技術の高さが感じられる。と回るうちに四時間。見応えがあった。
常設では動物の彫刻を集めた企画展示もある。せっかくおおぜいが訪れ、子供もいるのだから、これらももっとアピールできないのか。役所の縦割り仕事から脱してほしいのだが。