ナーゼリーを聴く

イランのクルド民族歌手シャハラーム・ナーゼリーの舞台。叙事詩シャー・ナーメを歌い、スーフィズムイスラム神秘主義の詩を歌にする。弦1または2、パーカッション2の構成。たぶん3、4弦のオープンチューニング、ワンコードのリフレインが基本で、円盤状の抱えるパーカッションは内側に金属の鳴り物があり、スネアロールのような音も出す。時には大太鼓様の物を、スティックと曲がったバチで両側から叩く。後は筒状の物。メロディがシンプルかつ神秘的な音階、イスラムらしい気配が漂う。リフレインに身を委ね体を揺らしていると、いつしか心地よく、たぶんこれに浸り続けるとトランスできるだろうと、感じる。
20年前はまっていたパキスタンのカッワーリの大歌手ヌスラット・ファテ・アリハーンを思い出した。彼は凡百のオペラ、ブルース歌手が揃ってもかなわない、史上最強といえる歌手だった。たまたま来日公演ではまった。もう亡くなったが、パキスタンに仕事でいったときに、カッワーリを聴きに寺に連れていってもらった
ナーゼリーはクルドの流れのためか、より素朴な感覚がある。メロディは部分的には日本でも親しめるものがあった。横になりながら延々と聴くとよさそうだ
水戸から菊地堅君が来ている。tsumazuki no ish「無防備なスキン」を強力に勧める。昨日スズナリで初日。スエヒロケイスケの脚本がムチャクチャ凄い。なんだこいつは、といいたくなる天才。寺十吾の演出も尖っている。30日までだが、ともかく濃密で他にない芝居。
BBBに続き、須田さんにもバッタリ。ペルシャ語ができる女性がいて、楽器のことなど聞きたく、飲みたかったが、二日酔いが覚めたばかりで断念。下北サンデーズを家で見ることにする
志賀信夫