枇杷系、大倉摩矢子、佐々木満他

枇杷系は始まりがインパクトがあった(吉祥寺シアター、9.9)。ホリゾントのシャッターがゆっくり開き逆光のなか、倒れている女性、真ん中で一人がうわむき、頭をこちらにしてゆっくり進んでくる。奥にはバイプの足場。ぞくぞくした。
大倉摩矢子はこれまでの自分の踊りに入り込み、五十分暗転なし一場で踊り切った。倒れ、横たわった仰向けの踊り、水の流れにそうっと踏み込むような部分は素晴らしかった(テルプシコール、9.9)。
シアターカイの7TH国際舞台芸術祭IDTF2006、ドイツの佐々木満はジェニファー・ブロスによるフリーダ・カーロ。眉が濃く似ている彼女はタップ的な足音を時にたてつつ繊細に踊った(9.10)。
同じ日、すまこ・こせきのカンパニーでは、三上周子の弾ける踊りと、強い身体のディディエ・ダブロウスキーに注目した。すまこの登場とラストには舞踏らしさを感じた。
志賀信夫