最上和子、ほうほう堂、今野真弓
最上和子は舞踏家。ストライプハウスギャラリーで井桁の球体関節人形とのデュオを踊る。最上をモデルに作った分身のような存在と独特の風景を作りだした。それ以上の踊りか立ち上がるかはこれからだが、人形と最上がどう付き合うかにかかっている。何かが生まれるかもしれない萌芽がある。
浅草の水上バスのダンスは毎年たのしみだが、白井剛は行けず、ほうほう堂のみ。二人というユニゾンの存在感が、非常にうまく機能した。あちこちかなり動き回るが、基本は日常ブラスアルファのダンス。それがユニゾンにより、一般観客にもアピールするものになる。二人は二人である意味と効果をよくわかっている。派手な動きはなくても十分アグレッシブ。最後の観客巻き込みポーズ集も楽しい（写真）。
今野真弓のソロは初めて。石丸魚の舞台での裸身が印象的だった。ブリックワンでのソロ。石丸の舞台でも見せた四つんばいだが、尻を高く上げて観客席から、驚くほど時間をかけて登場する。黒いツン（ヒモパン）の股間と尻笑窪が美しい。そして立ち上がり、足踏みし、回転する。そしてよこになり、ブリッジする。行為を記述すればそれだけだが、丹念に時間をかけてやることで、体が意味を作り出す。足踏みし続けるなかで次第に手が上に上がっていく姿は、輝いている。ただ、もう一つ謎、疑問がない。四つんばいからブリッジへと完結してしまっている。さらにもう一つ、わからなさがあれば、もっと魅力的だ。次の舞台に期待しよう
