秘する肉体 大野一雄の世界

大野一雄100歳記念写真集が出た。「秘する肉体(からだ)大野一雄の世界」クレオ刊。四十数名の写真家が捉えた、五十年代からいまに至る半世紀、大野の姿がそれぞれの眼差しで描かれており、非常に見応えがある。写真で描く大野一雄史、といえるものだ。見続けた舞台、屋外で踊る姿、稽古場など、その場にいた場面も数多く、僕にとっての舞踊史でもある。見知った姿も写り、感慨深い。年表、文献も充実し、英訳もついて、一つの集大成として長く残るだろう。細江英公上田義彦、池上直哉や荒木経惟などの、かくも多くの優れた作品を生んだ存在は希有だ。
ちょっとだけお手伝いさせていただいたが、ひいき目なくしてもこの大判、充実で2000円は安いなあ。ふつうなら2800〜3500円くらいだろうと思う
10月、大野の誕生日近くには、コニカプラザで写真展が開かれる。楽しみだ
志賀信夫