2009-01-01から1年間の記事一覧

おかまが乱舞の舞台と叙情

★11月1日 劇団唐ゼミの『下谷万年町物語』を浅草花やしき裏のテントで見た。二十数年前に、蜷川幸雄演出、西武劇場で見た唐十郎の問題作に中野敦之が挑戦した おかま長屋の見事な再現と流れる叙情、ロマンを見事に描き出した。ヒロイン、少年のキャラクター…

横滑ナナ、鍵田真由美、石井智子

★10月27日 中野テルプシコールで、小野由紀子改め横滑ナナによる舞踏ソロ 下手奥のアルコーブから差す逆光に座る裸身が徐々に浮かびあがる。後向きの全裸の背中は翻り、やがて立ち上がり、ゆっくりと上手手前に向かって歩む。これか横滑が自らに課した踊りの…

浅井信好、高野チカコ

★10月25日 山海塾若手の浅井信好がプランBで踊った。蝋燭を円形に配し赤と黒の水盤に水が滴るなか、生ピアノライブで踊る。ちょっと武道的要素がある動き、背中から倒れる場面、垂直に飛び倒れる場面はさすがに美しい。ピアノはもっとニュートラルなほうが体…

CAVA

★10月23日 新井薬師ウェストエンドスタジオでマイムの舞台。ここはイケメン劇団のホームスタジオだが、舞踏などにも利用されてきた。デルフィーノネロが12月27日にやるスペシャルカラーズのすぐ先だ 今回はちょっと文学的というか、ひねった物語。 脚本家が…

関かおり、山根英房展@古書一路

★10月24日 ・関かおりが横浜STスポットで単独公演。装置、衣裳などなかなか楽しい。最初は関のソロ。そして男女四人の振付。後半ちょっと冗長で、場面を異化する音がほしいが、丁寧に体と向き合い自分の体から導きだした振付には個性があり、評価したい。今…

ヴェルターヴォ・カルテット

★10月21日 千駄ケ谷・津田ホールでヴェルターヴォ・カルテットを聴いた ノルウェーの女性四人、25周年だという。繊細な感覚とダイナミズム。前半、ハイドンの四重奏曲はオーソドクスで、ノルウェーのアスンハイムの現代曲はなかなか刺激的だった そしてグリ…

麿赤児、プロジェクト大山

★10月15日 シアタートラムでの麿赤児『G.が行く』はかなりおもしろかった。ピアノ線が八本張られた装置が左右対象に舞台を斜めに横切り、センターの小舞台の前にという構成。さらに上手には得体の知れない化け物的オブジェ。髪を逆立てた麿が転がり回ると、…

大野フェス、ワタル

★9日金曜は気軽に楽しめるミラマーレオペラ。いい企画です ★大野一雄フェスティバル2009は舞踏の始まり『禁色』50年として、エッセンスを伝えようとする試みが続いている。最終日の日曜はヨネヤマママコも出る。 ★10日は古川あんず弟子でサシャ・ヴァルツの…

すわ、火事ですわ

十一時前に家に帰ると消防車などがウーウー、ピーポーピーポー騒がしくマンションを取り巻く。背伸びして覗く野次馬もいる。どうやら火事らしい しかし鎮火したらしく、エレベータで上に。きな臭い。ベランダに集まる住民もおり、隣が顔を出しているが、全体…

タイタス、ジョバン、ダイク他

★10月2日 ルーマニアの劇団ブランドラによるハイナー・ミュラーの『解体・タイタス・ローマの没落』は衝撃的だった。シェイクスピアで最も残酷といわれる芝居『タイタス・アンドロニカス』をミュラーが解体しようとしたが、物語のインパクトは強い。犯され舌…

夜行館@亀有香取神社、明日まで

日本のアングラ史上、伝説的存在のシアター夜行館。年一回の東京公演が明日迄、亀有駅前の香取神社で行われている。主宰の笹原茂朱は唐十郎と状況劇場を立ち上げた人物。その後、夜行館を率いて大八車で四国を巡演して東北を拠点として活動を続けている 東京…

ヤスミン、ノワレ、カニンガム

ダンストリエンナーレから ★ヤスミン・ゴデールの作品は白リノの両端を持ち上げて丸くした舞台にホリゾントは黒い壁。男二人、女三人が無関係そうに見えながら、時に三角的関係に絡んで、日常の物語を滲ませる。最初はおとなしい関係が次第にパフォーマンス…

ケベック、人間史、大橋可也、他

★9月26日 ・ケベック州政府が六本木ヒルズにレジデンススペースをつくり、披露パーティ。大臣も来てなかなか盛況。いまケベック映画祭も開催中。フランス語圏で以前にそういう本を作ったので、そのつながりもある ・江古田の日芸で加藤みや子・山野博大によ…

町田で驚異

★9月22日 『驚異の部屋』展にひかれて、遠いが頑張って町田駅からも20分くらいかかった記憶を辿り、町田の森へ。町田市立国際版画美術館。心地よい汗をかき、迎えてくれたのは、解剖図譜、幻想の怪物たち、ミイラや神話の世界。貸し出される虫眼鏡を通してミ…

和田彰展@ギャラリー福山

銀座一丁目の昭和通り先、ギャラリー福山で和田彰展が始まった。岡本太郎賞で潜水艦のモチーフが印象的だった和田。今回はそのフォルムを塗り込めた。そして新たなフォルムが現れる。存在感がある作品の数々に注目したい。 志賀信夫

トリエンナーレ始まる

ダンストリエンナーレが青山劇場、スパイラルホール、イメージフォーラムなどで始まった。海外、国内から優れたダンサー・振付家が集まる。 ・21日フィンランドのエーヴァ・ムイルは、メディアの虚構と表現の愛について問題提起的舞台。森下真樹は頭を長くの…

パル・フレナック、鴻池朋子展

★9月19日 ・オペラシティで鴻池朋子展。前にTH誌でインタビューした。少女的偏執を突き詰めつつ独自の神話を作り出した。楽しいのでお薦め。巨大なミラーボール頭は一見に値する ・ステッチバイステッチ展。以前から注目している刺繍による現代美術の企画、…

京品ホテル

品川駅前にこのホテルはある。大規模でなく渋い佇まいは欧州のホテルを思わせる雰囲気で、一度、泊まったことがある。久しぶりに駅を降りたら、労働争議真っ最中。負債を背負った三代目社長がリーマンショック絡みで廃業し、買い取った会社も対応しないため…

ダンストゥデイ、五輝會

★9月13日 彩の国さいたま芸術劇場で3作品、トリプルビルの公演。 ・最初は大植真太郎の振り付けで、大植、平原慎太郎、柳下雅寛のトリオ。格闘のようなコンタクトインプロ。コンビニなどのビニール袋が舞うラストもエコに美しい。単純にダンスが楽しめる ・…

篠井世津子

★9月11日 多忙で今日が9.11であることを忘れていた。ロンドンのテレビで一週間前にいた街が崩れていくのを食い入るように見ていた8年前。あれから世界は変わったのか。いや世界が声を上げてアメリカにノーというようになった。オバマはだから誕生した。日本…

万城目組?

★9月7日 神楽坂ディプラッツで万城目純らのグループ公演、示光社。 赤い椅子に派手な礼装で座り周囲に女性をはべらした冒頭の姿はフォトジェニックに決まっている。万城目純は眼鏡を外すと森村泰昌や役者の篠井英介に似て、美輪明弘、ピーターに連なる同性愛…

遠田、三浦、鹿島、ジャッキー

★9月6日 神楽坂セッションハウスのレジデンスアーティスト、四人による公演 ・遠田誠はワークショップ参加者の特技を生かし、ダンスじゃなくとも舞台に載せるという展開。とても楽しめた ・三浦宏之は星加昌紀とのデュオ。冒頭の二人が絡まったオブジェ状態…

小島章司

★9月3日 男性ばかりの舞台に客演した小島章司。ラストに無音でソロを踊りました。痺れました。やばい。七十歳 ★写真は自由が丘で電気店改装オープン。平日なのに凄い人だ。アドバルーンが久しぶり、珍しいのだ。チンドン屋がいれば完璧 志賀信夫

上杉満代ソロ@テルプシコール

★9月2日 上杉満代ソロ第4夜。隔月で踊り続けるこの企画、かなりの挑戦である 今回は、水色の衣裳、胸元に扇子を広げて挟んでいる。下手から登場し、重ねた二本の紙テープを引きちぎるオープニング。音楽はバロック系の歌が中心で全体を統一。横たわり踊る場…

日比和平展銀座教文館ギャラリー

日比和平と出会ったのは十年少しほど前、静岡豊橋だった。地方に用事があるときに、ロシア正教会を訪ねることがある。その地のイコンを見せてもらうためだ。この時も山下りんのイコンを見に豊橋の正教会にいき、日比さんを紹介された。 車で二十分ほどの市営…

日比和平展

日比和平は山下りん、牧嶋如鳩に次ぎ、日本でイコンを書き続けた画家である。 テンペラ、ガラス絵など、さまざまな素材、技法で五十年以上イコンを描き続け、豊橋で亡くなった。 いま小さな個展が銀座のギャラリーで開かれている。四丁目交差点そばの書店教…

ケイタケイ『Light Part 7』

★8月25日、豪徳寺・ムービングアース・スタジオ ケイタケイは七十年代、米国で活躍し、日本に帰国後も積極的に活動を続けている。その作品はライト・シリーズと呼ばれており、ポストモダンダンスが席巻するなかで、その行為的要素にエスニシティや神話性、物…

駅弁断念、食日記終了

沼津で乗り換え7時過ぎ。駅弁コーナーに行くが、ないとにべもない。7時終了でどうもすぐ回収されるか何か。でも一分くらいしか過ぎてないのだが 桜海老弁当、鰺弁、鮪重を携帯検索で見て、期待していたのに、ああ無情 キオスクのおばちゃんに同情されなが…

行きは深川弁当

観光ゼロなので、いっそ食日記と、21日朝の深川弁当を。前は蛤佃煮もあったような。いまは穴子と浅利、ハゼかな。漬物もべったらと甘いミニ茄子か? 江戸モードで安めなので。ただ前は650円くらいが今は850円 志賀信夫

鰻、村越、浜松

グルメ日記のようだが、昼飯抜きのつましい旅。しかしこの2件目のホテルは五千円で朝バイキンクのパンが旨いし、大浴場はちょっと温泉気分。セミダブルで広いしなかなかいい そのホテル嬢、と書くとやらしいが、フロントから教えられた鰻の村越は、離れたイ…