麿赤児、プロジェクト大山

★10月15日
シアタートラムでの麿赤児『G.が行く』はかなりおもしろかった。ピアノ線が八本張られた装置が左右対象に舞台を斜めに横切り、センターの小舞台の前にという構成。さらに上手には得体の知れない化け物的オブジェ。髪を逆立てた麿が転がり回ると、そのオブジェから赤縄で緊縛した裸の女性群が姿を覗かせる。さらに次の女たちが壺を抱えてきた場面は、股間の壺に麿が頭を突っ込み、性行為の模倣となって繋がりエロティック。女たちはさらに婆となり花嫁となるなど、楽しませる。麿も女の間での小芝居が笑わせる。一方黒い衣裳の小林裕子はヒロインとして立つのだが、もう少し生かしてほしいところだ。上手の怪物オブジェはやがて船となり麿と男二人が船出するのもいい。麿と女たちが対峙し、目を見張る舞台を見せてくれた
★10月17日
バンクアートの大野一雄フェスで、プロジェクト大山。大野の師事した江口隆哉などモダンダンスの歴史を映像で見せながら、模倣したり取り入れたりなど、意欲的な作品。二室を移動し互いに映像で見せたことも、作品を複層化した
★写真はプロジェクト大山の装置から
志賀信夫