CAVA

★10月23日
新井薬師ウェストエンドスタジオでマイムの舞台。ここはイケメン劇団のホームスタジオだが、舞踏などにも利用されてきた。デルフィーノネロが12月27日にやるスペシャルカラーズのすぐ先だ
今回はちょっと文学的というか、ひねった物語。
脚本家が企画を出し断られるという構図に、その物語の中味が演じられ、なおかつ登場人物によって書き替えられる。脚本家は見えない登場人物によって翻弄される。これが基本構造。さらに脚本の中味、スパイかギャングが書類を奪い合うのだが、それが実は書かれている脚本であるという、次元を踏み出した構造がある。そこにこの作品を産み出す作者の苦悩も重なっているという、かなりの多重構造。さらにゴルフ場面などの遊びも笑わせる。物語の不条理感を笑いにとどまらない世界にまで持っていきたいのだろう。たぶん削ぎ落として練ることを繰り返していくと、さらなる傑作になるのではないか。台詞なしなので、困難な道だろうが、ぜひ挑戦してほしい
★写真は山根英房展から

志賀信夫