ヤスミン、ノワレ、カニンガム

ダンストリエンナーレから
★ヤスミン・ゴデールの作品は白リノの両端を持ち上げて丸くした舞台にホリゾントは黒い壁。男二人、女三人が無関係そうに見えながら、時に三角的関係に絡んで、日常の物語を滲ませる。最初はおとなしい関係が次第にパフォーマンス的に広がり、激しくなっていく。グリーンの塗料を口に含み相手の顔にかけたり、赤いゼリーなど、モノトーンの舞台に色が映え、荒い黒の塗ったような背景に貼られるビニールなどに現代美術的感覚がある
★ミシェル・ノワレの作品は女五人。白いリノに三方を白い幕で囲み、そこから黒い衣裳の女が出入りする。白テーブルと椅子がいくつかあり、それを移動しながら入れ代わりで出てくる女たちは、金髪、黒髪、ブラウンという髪がコントラスト。それが次第に絡み出す。暗転しテーブルの上の一人がクローズアップする場面が印象的。次第に高まるところが、おとなしい前半に対してインパクトを持つ
エステル・サロモンの作品は、闇の中に浮かび上がる左右に震える物体がインパクト。それは俯せの女性二人が揺れているる。爪先立ちになり前後に揺れる白い衣裳の二人は、やがてポーズを変えながら震え続ける。この前半が素晴らしい。だが後半は二人が獣の擬態のように見え出し次第に興醒め。たぶん二つのエチュッドをつないだのだろうが、それだけではダメ。というより後半はどこか勘違いがある
★ダンスフィルム
ダンスプラスティックとして、シュレンマーのトリアディックバレエが見られず残念
伝説のスター集はカルメン・アマヤのフラメンコ、圧巻。男性踊りの要素も強く迫力
ジョセフィン・ベーカーは黒人エロス炸裂のエンターテイメント。ジャン・ギャバンとの共演もおもしろい
サミヤ・アマルのエジプトベリーダンスもエロティックだった

★写真は自由が丘の回転寿司のウニ丼1050円

志賀信夫