高襟、大串孝二、井上みちる

★11月14日
・高襟。押上のスタジオウノにて。くつろぐ女性たちの映像が客入れから。三階のリビングやキッチンの映像とリンクしながらの舞台はなかなか楽しい。ちょっと体が感じにくいが、アイデアと意欲、パワーは抜群
・大串孝二は美術家、パフォーマー。最近は墨を和紙に、といっても、半端ではない。銀座のアーティストスペース・ギャラリーでの個展では、パフォーマンスの現場には立ち合えなかったが、大串のエネルギーが溢れた展示だった
・井上みちるは、これからが見ものだ。一度評価されると、その先が難しい。舞台は単純な積み上げではなく、同時に一過性だ。その意味ではもっと弾ける部分がほしい。脈絡なく実験的であってもいいのではないか。いい場面はいくつもあったが、「絵」に留まっている部分がある。半端でない入り込みがある踊り手なので、それを生かせるはずだ。期待とともに見逃せない舞踏家だ
★写真は高襟の町、押上に築かれているバベルの塔。底面積が小さいように見えるが、恐らく地中に同じ深さで別の街ができるのだろう。以前に唐ゼミがテントを立てたのはこの場所だった
志賀信夫