青森県のせむし男

★11月18日ギャラリールデコ
北海道の劇団風蝕異人街は1997年に結成し、今回39回公演というから、毎年三本は上演している計算になり、活発な活動状況。利賀村のコンクールでも受賞するなど知られ始めている。寺山修司を中心にイヨネスコなどをレパートリーとする。
今回はディプラッツの新人シリーズにも出演している三木美智代が所属することから、見に行った
せむしの息子と母の近親相姦という暗い話を寺山はリアリティのない寓話のように描く。短歌的台詞、鳥の名の言葉遊びなど、コミカルな場面は笑いをもっと示したほうが、コントラストとしての暗い話が生きるだろう
せむし男を演じる三木は台詞も演技もうまい。母役の平沢朋美も迫力だ。ただ少し小さくまとまった感がある。演出以外女性だけで独特の雰囲気があるが、東京に拠点を移して活動するということなので、寺山的怪優をゲストにすると、アングラの雰囲気も強まるのではないか
★写真は西荻ほびっと村前で狼犬ノキウ。舞踏家虫丸の住む奄美にもらわれていくところ
志賀信夫