解剖から駱駝へ。向と小林

ダンススタディーズ研究会でバレエの解剖学。内科医であり自らも踊る講師勝川史憲さんのレクチャーは、体の知らなかった構造を、筋肉と動きを知ることで説き明かしてくれる。最後に質問などから、バレエに限らず踊りの動きは不自然なものだと感じる。機能をぎりぎりにかつ合理的に使い、不自然な世界をリアルにするのがおもしろい
そして駱駝艦若手壺中天の向雲太郎「をどろベイビー」を見に吉祥寺シアターへ。七人の小人ネタや、麿のパロディとも見える語る青男と、背後で首締め女のシーン、田村一行のスリッパ群舞など、笑わせつつ秀逸。場面により冗長さも感じたが、向のソロは対照的に切なくていい。金曜の小林裕子「ユピタース」の銀塗りソロとともに、痺れた。
駱駝艦35周年の本公演には何が現れるか、個々が存在感を示しているだけに楽しみだ

志賀信夫