栄楽@中野のつけそば

はあい。また懲りずにラーメンまっしぐら。
中野はつけ麺の本家ともいえる町。南口の大勝軒で初めて食べた人もたぶん40以上の世代には多いはず。ここと東池袋の関係は広辞苑にも載るくらい有名だから書かない。ただこの雑さが古典的ラーメン屋の薫りを漂わせ、いまも人を引き付ける。いまの「道を究める」的ラーメン屋もいいけど、こういう何気なく美味しいという職人的定番も魅力。ちなみに周囲には隣に家系、向かいに二郎讃歌のゼロワンがあり、なかなかの活況。もっとも斜向かいにあった将軍だったか名前忘れた店や、数年前はこの背後の坂を上ったところになかなかの名店があったが、これも名を忘れた。確か門がついたような。いずれにせよラーメン屋も入れ代わりが激しい時代。
そんななか50年以上生き延びているのが栄楽。荻窪丸長の流れのつけそばとして、目白の丸長と双璧をなす。ともに早稲田通り沿いなので、まさに道はつながっている。そしてどちらも三時頃で終わりなのもいっしょ。目白は二回しか行ってない。だって深夜じゃない、昼二時か三時までよ
今日は昼前に外出して昨日からの仕事でふらふら、気分転換に北に向う。ブロードウェイ一階の激安に呆れ、二階以上の異常な活況に目を見張り、明屋書店の閑散に涙を拭いながら、ドンキと百均の誘惑を躱して信号を渡れば、よし、列がない。
いつもは2時半過ぎでも列をなすが、昼時混むと知る人が敬遠したためか、この極寒ゆえか、さらっと席についた。味は以前に書いたから繰り返さないが、この店は前から丁寧。ただ、麺も改めて見ると美しい。茹で上がりの洗いの丁寧さが、モチモチ感のある腰を出す。スープ割りをすると七味のなかの山椒が香った。750円。次回は卵入りにしようと決意。生なので混ざるとまた美味しいのよね。それは800円。
夜また中野駅。背の高い外人、ヘレン・スミスは24、25日にテルプシコールでソロ。オーストラリアへの帰国前公演なので見逃せない。話していた相手は小林裕子ラクダ艦のヒロインだった。バレエ・ダンスの基礎がしっかりありつつ、振付けもソロも注目すべき存在である。気に入っている人たちにばったり会うと、なにかいい気持ちになるなあ。頑張れオージィ舞踏。考えたら、グッダイとクッデイを訛るオーストラリア弁て、訳すと「いい日を」が「いい死を」。「ひ」を「し」と発音するので、江戸弁みたいじゃないか?
ともあれ、ブロードウェイはいまや観光地。平日昼でもなかなかの人出で、本家ブロードウェイを超える?のは誇張だが、こうなると閑散としたシャッター街時代が懐かしい?
志賀信夫