ローザス、小島章司

★11月28日
ローザス『ツァイトゥング』さいたま芸術劇場
スタジオを持ち込んだようなピアノの置かれたシンプルなセットで、バッハ、シェーンベルクウェーベルンによりダンサーたちが踊る。生ピアノと録音の管弦楽だが、音楽の変化とダンスの関係が面白い。後半は舞台崩し的展開とともに盛り上がった

★11月27日
小島章司『セレスティーナ』銀座セゾン劇場
七十を迎えた小島章司が、スペインのダンサー、ミュージシャンとともにスペイン古典文学を題材に踊る。セレスティーナは娼婦の家の遣り手婆で魔法を使う。これに扮する小島は女性振りが実に似合う。愛する二人とからむなかなか面白い話。堀越千秋のダイナミックな緞帳と舞台美術がスペインの香りと情熱を伝え、素晴らしい。ギタリストもかなりのテクニック。三人のパブロ、ピカソ、カザルス、ネルーダへのオマージュを兼ねるゆえに、バッハの無伴奏チェロソナタ、『鳥の歌』が挿入された。もう少し近い空間で上演したほうが、小島の繊細さが伝わるのではとも思った
小島章司と森下洋子が文化会館小ホールで一流チェリストのバッハで踊る、こんな舞台を夢見ている
★写真は西ケ原防災公園にある彫刻。紅葉がきれいだった日曜日

志賀信夫