田中泯、見るべし

★12月2日、プランB
暗い中、霧のように見える光の固まりが徐々に形をなす。ビルの地下とは思えない不思議な感覚。やがてそれは半透明のシートの向うの光とわかる。そこに蠢く存在が泯だ。紺の着物を纏い物問い探るような一景の次、上半身裸体でズボンをたくし上げた姿で登場し、中央で体を反り踵を上げて体に極端に負荷を掛け続けて40分。両手を広げた姿は磔刑のようにも見えるが、それ以上に人間的。この負荷のかかった肉体は美しい。その後、消耗した体とともにしゃがんで登場し、シートを押える石の中に体を横たえた踊りを踊るような戸惑い、ここにはタイトルにある不能性が表れる。ここは賛否が分かれようが、反り続ける体の現然には、踊りとして魅了する何かが確実に存在する
土曜までだが土曜は一杯らしい
志賀信夫