ヴァギナ、アイ・ウェイウェイ展

★8月20日俳優座劇場
『ヴァギナ・モノローグス』というセンセーショナルなタイトルにひかれて見た。米国でオービー賞を得て世界各地で上演されているドキュメント演劇。二百人の女性に、あなたのヴァギナに質問しますというインタビューを行い、その回答をモノローグ劇にした。子供から老女、主婦、娼婦、民族紛争で強姦された女性など、さまざまな人々が登場し、まず普通は語らない話を語りだす。衝撃的な話、微笑ましい話を交えて、虐げられているヴァギナという存在を考え直そうとする。フェミニズムが背景にあるが、プロパガンダにとどまらず、性と体、人間を考えさせる舞台だ
これを語り手と手話の役者が組み合わさって演じる。ドラマ性やリズムは崩れるが、手話と身振りが独自の表現として伝わる瞬間が面白い。特にフランス人役者の手話は身振りに魅せられた
日曜まで、六本木
アイ・ウェイウェイ展。森美術館
中国の五十代の美術家の作品だがなかなか面白い。茶葉を固めて作ったでかいキューブ、紫檀でも同じ大きさのものが離れて並ぶ。フォルムは抽象だが中国伝統の素材などで、独自のトーンを出す。古い家の梁などを組み合わせたオブジェなど、全体に力強い存在感がある。北京五輪の鳥の巣も彼の作品らしい
森ビルの屋上、ヘリポートが見れるスカイビュー、展望台、アクアリウム込みで割引券あれば2千円はなかなか楽しめる
★写真はアイ・ウェイウェイの真珠山盛作品

志賀信夫