初期型、笠井叡

★8月18日
初期型。相変わらず整理されてないが楽しい。場面それぞれの発想が光る。空飛ぶジュディオング最高
裸は最後のほうがインパクトあるかなあ
19日マチネ、ソワレ、駒場あごら劇場
笠井叡『犀』吉祥寺シアター。19日まで
オイリュトミーによる公演。オイは良い、リュトミーはリズムという意味で、基本的には文字と動きが対照関係にある。スイスのダルクローズがドイツにリトミックの学校を開いたが、その関係も指摘されている
舞踊メソッドと体操との関係は面白い。デルサルトメソッドはダイエットで流行った時期があるらしい
笠井叡はシュタイナーの神秘学にひかれてドイツに留学し、シュタイナーのオイリュトミーを会得した。オイリュトミーは型のあるダンス、舞踏はその真逆のはずだが、それが重なるのが今回の公演の魅力だ
四人のオイリュトミーダンサーは剃髪、最初は二枚2色の衣、次はツン、そして白い衣裳で早い動き、同じ動きながら揃える意図のない動きで乱舞する
その中で笠井叡は一部を塗り残した青塗りで、屹立する。いや踊りまくるというほうが正確だ。とことん自在に踊り、時折、ヘリオガバルスに基づく物語を語る。落ちてくる巨大な石のイメージとともに、限りなく明晰な狂態にいつしか魅了される自分を見出だす
笠井叡はなぜに斯くも愚かしく狂舞するのか。それはまさに舞踊の神に魅入られたからに他ならない。そして舞踊の神が降臨するのは、にこの地以外にはありえないのだ
舞踏もオイリュトミーもどうでもいい。ただただ踊り暴れる魂を前にして、何物にもかえがたい踊りそのものの魅力に、踊り手とともに引きずり込まれる自分を見出だしているのだった

志賀信夫