宮下恵美子「ラノセン」

★8月10日アトリエム「ラノセン」東京バビロン

ダンサー二人が、腿を叩く動きから、手を伸ばし体がそれに導かれて開いて回る、というような行為的なシンプルな動きを繰り返しながら、その動きは変化していく。二人、長沼陽子と江角由加は向かい合ってもまったく同じ動きのユニゾンではなく、しかしつながりが見える動きで、触れ合わないのに通い合う。片手を上げて真直ぐ進み、それは踊りになっていく。
男、さがえゆうじが一人上手奥でカホンのように木の箱を叩き、時折手製かアジアのリード楽器を慎重に吹く。
舞台の場面は繊細でありつつも力動性が生まれる。実験的なのだが、そう名付けてしまうのがはばかられるような、優しい豊かな時間が経過し、そこに確実に体が感じられる。まさにストイックでありながら、眉を寄せて難しい顔で見ることのない、素直に僕たちをひきつける舞台が現われた
★写真は引き続き浅草の店内。高橋某氏とニラレバ、餃子で一杯。次の舞台、隣の人に大メーワクだったかも

志賀信夫