うーん

★7月23日
神楽坂ディプラッツはいい意味で登龍門だと実感する
ダンスがみたい新人シリーズのオーディエンス賞を獲得した澤田有紀率いるguellの舞台『続きの図』
女性が三人ホリゾントから極めてゆっくりと動いてきて、激しく戻ったりという最初の景は緊張感があり、かなり魅力的で期待させる。特に下手の安達みさとの動きにひかれる。
しかし澤田のソロから次第に伝わらなくなる。動きを抑えた発想は悪くないし、振付けや演出はアイカワマサユキの巧みな照明で見せる。しかしこのダンス的でない踊り自体からは体と感触、ニュアンスが伝わらない。何か表層を滑っているような印象を持つ。澤田自身が迷っているためか、どこか違う道を辿っているのか。踊れる人にとって踊らないダンスは、自分を突き詰めた動機がなけれは成立しないのだろう。
室伏鴻が観客席にいたが、舞踏の舞台、舞踏が問うものから学ぶものは大いにある。あるいは深谷正子の舞台を改めて見直してみてはどうだろうか
葛藤のなか、これから生まれる澤田の真のソロに期待したい。発想と抱くイメージはいいし、かなり魅力的といえる。おそらくソロが立つと、この舞台がしっかり立ち上がってくるだろう
志賀信夫