市田京美、東野祥子、深谷正子

★7月20日
PASの市田京美・トーマス夫妻によるドイツダンスワークショップを見る。英語で指導するバーレッスンにバレエ系の受講生がついていくのはさすが。ピナ・バウシュ春の祭典の動き、やはり通常のカウントには収まらない
★井上バレエ、藤井直子のシンデレラは完成度が高い。さらにはみ出すものがほしい。シビックホール
★六本木スーパーデラックスでVIIM。矢内原美邦のネコロールと東野祥子のタイガータイガーという魅力的な舞台。映像中心の展開だが、ミウミウのダンス、久しぶりの矢内原自らのダンスは注目に値する。スカンクらの音もハード渋さ知らずな感じ。東野作品はケンジル・ビエンの踊りが弾け、ガルペプシと伊東篤宏の音、床に這う映像に加えてレーザーという飛び道具が舞台をさらに立体的に作り出し、圧倒的な魅力があった
★7月21日
長谷川六主宰のダンスシリーズ、東京シーン2009がシアターカイで始まった
初日は六自身によるパフォーマンス『凍音』。緊張と弛緩ではない佇まいで自然な時間と空間を目指すのか
夜二部は中島松秀によるナナダンスカンパニー。前後の傾きから動きを作り、最後はコンタクトだが、テクニック主義でないのに無音の舞台が飽きさせないのは、中島がトリシャ・ブラウンに十年以上師事した賜物か
★7月22日
同じく東京シーンで。深谷正子はやはり凄い。透明のビニールロッカーのような関直美のオブジェの中で撓み歪む。出てきて林立する扇風機の森に歩む後ろ姿の傾き。その森に崩れ、ファンの音と風にまみれる姿。上手のビニールオブジェの間で開かれる体。緊張を孕みながら観客にそれを強いない姿勢は、僕たちを解放へと導く
第二部の栄華舞踊団。前作は北朝鮮喜び組をパロったところに栄華自身のルーツを含めて意味があったが、今回はお金、拝金主義ネタ。それに関する思い付きを舞台に並べただけで、舞台表現としても立ち上がらない。ダンサーはそれぞれ個性があるキャラなので、まずそこからイメージを作ってはどうか。リフレインされる群舞をみても、ある程度テクニックがあり、キャラももっと生かせるはず。平松歌奈子は特に気になった
★このシリーズ、週末のダンスパス2009につながる
ディプラッツのダンスがみたいの手塚夏子、トヨタの鈴木ユキオ、じゅんじゅんなど、週末は目白押し
志賀信夫