駱駝・塩谷智司、荒野の密室

★舞台前面に大きな壁。立ち小便するかのようにへばりつく塩谷。やがて壁は? とインパクトある始まり。そして真っ赤な舞台で展開する奇妙な展開。さらに黒塗りのデュオ。あまり書くとネタバレするので。いずれも発想、アイデアの豊かさと、しっかり作り込んだ動きが見事。さらに自分の幻影を追うなど、通底したイメージが舞台をしっかり支えている。久々に面白く、かつ振付けもしっかりして、コンセプトも響いてくるいい舞台だ。初の振付け作品。吉祥寺・大駱駝艦壺中天で月曜まで。必見です
★ディプラッツでのMSAコレクションの一つ、荒野の密室『タンブリンマン』。地下室に閉じこもった男と男女数名による閉鎖劇。足を怪我したその男以外は外に出れるが、外も普通ではない状況か。照明を含めて舞台作りは凝っている。ただ気の利いた台詞を積み重ねて、言葉の効果を失っている。やりたいこと、書きたい言葉を詰め込みすぎで、整理が必要
★写真は野川に群れなす菜の花
志賀信夫