大橋可也、OM-2

★3月7日
★学会から飛んで横浜桜木町。ここで大橋可也が音楽とダンサーズで、屋外公演
駅そばの駐輪場、金網に囲まれた二つの空間。檻の中。まず一つでドラムとソプラノサックス二本によるジャズ。テーマが考えられたインプロ演奏。現代音楽寄りのジャズで、コルトレーンの延長にある感覚。一度音はやみ、もう一つの檻でダンス。観客も同じ檻の中。上白、下グレーで二人がスカート、二人はズボンの女性たち。行為的な動きのリフレインから金網にぶつかったり倒れたり、2/3を過ぎた当りから関係を持ち合う。ぶつかりあったり、耳元で囁き絡み合ったり、人間の関係性が抽象化しつつ生身の身体をもって舞台をつくる。途中で入る音楽も感情を出さない関わり方がいい。ビデオを撮る大橋が中盤白い粉で小さい山を各所に作るが、それが女たちの体で散らされて、コントラストをつける。檻が社会の比喩なら安易だが、目の前にあるバーミヤンに出入りする客や通行人の視線に観客も含めて晒すことも、大橋の意図の一つだったろう
★OM-2の久々の公演『リビング2』は、インパクト、バワーが増した。『1』を見て評を書いたが、整理され、理解しやすくなった。佐々木敦の存在はやはり大きい。さらに中井尋央の狂ったダンスは回転する小さな光、機械蛍のような光と対照して浮かび上がった。ともに閉塞と抑圧を見る人もおおいだろう
本日六時が最終。日暮里D倉庫にて
★写真は大橋可也の檻
志賀信夫4-B