ラスコーの壁画と靴、再び

12月2日
●明大前キッドアイラックで美術家大串孝二の『ラスコーの壁画』。及川広信、オトギノマキコが客演した。大串は墨流しの平面作品を床に配し、金属線で吊したテーブルに打った釘にかけたゴムを弾き、音をたてる。及川は白いスーツに帽子とステッキ姿でダンス的身振りを交えた行為。オトギノは静かな動きが次第にダンスへと開いていく。やがて床にチョークで絵を描く大串、壁を伝い踊るオトギノ、黒いスーツにシャンソン『ラ・メール』で踊る及川で幕。大串はラスコーの壁画に触発されたこのシリーズを続けている。京都に移り久しぶりのオトギノは二十日鼠とともに麻布ディプラッツで見た鮮烈なイメージが重なる。及川はダンスとノンダンスの間を漂う。魅力的な公演だった

★写真は舞台から、脱ぎ捨てられた及川の靴
志賀信夫4-B