漁樵問答、未國

27日
●西川会60周年記念舞踊会を歌舞伎座で。西川扇蔵、箕乃助父子による『漁樵問答』。老いた樵(きこり)と若い漁師が出会う。樵は酒を呑み、漁師は玉手箱を開けるとあら不思議、樵は若返り、漁師は老人に。扇蔵の安定感たっぷりの舞に箕乃助の若い張りのある踊。話も楽しく見応えある舞踊を素踊りで見せたのはさすが。箕乃助は見るたびに扇蔵に似てくる。艶のある存在感だ
●入口左の歌舞伎そば。有名だが初めて食った。うまい。もりかき。茹でたてのもり蕎麦に揚げたばかりの小さいかき揚げが六個。これで470円は素晴らしい
●未國は和物の音楽がベースにダンスなどで舞台を作る。主宰の音楽・演出、前川十之朗と谷桃子バレエ団出身の前田新奈が中心で振付。今回の吉祥寺シアター公演、最初はフラメンコダンサーのづ弘順とバレーの平田沙織のデュオ『稀人』。平田が美しく魅力的。のづは長身で格好いい。
そして高部尚子、白井麻子、二瓶野枝、工藤丈輝といったバレエ、コンテンポラリー、舞踏で知られた舞踊家による『禍』は、玩具箱から出る魑魅魍魎がばっこする。首吊り工藤はインパクトがある。欧州武者修業中の大村未童はいい感じになってきた


志賀信夫4-B