竹ノ内淳志、小野由紀子、JETROB

★竹ノ内淳志といえば、ビショップ山田、北方舞踏派の流れから出ているが、関西や海外での活動が中心で、初めて見た。
四十半ばだが削ぎ落とした身体はなかなか魅力的で、時折発する声も違和感ない。十年一緒のパーカッションの女性とのインプロは身体感覚と相まって独自のものを作り出している。
裸身にツン、長髪で次第に激していく姿は見応えがあった。会場のリトルモアは出版社の小さな地下だが、丁寧な照明音響で魅力は伝わった。今度は大きい劇場で見たい。
★小野由紀子は天狼星堂の舞踏家だがどんどんよくなっている。毎月大倉山の公園、野外で淡々とソロをうつ。梅林に誘われてきたが、数メートルを丁寧に進む姿は、強い力を感じさせる。まばらな木の間に立つ姿はやがて風に煽られながら進む。まわりに負けず溶けず、かつ自然を感じながら歩む意識がいつしか共有される。やがて倒れボロキレのように存在しながら、体が立ち上がる。人は立ち歩み倒れるなかで、意識が体に行き渡るときに舞踏になる。易しく困難な道を舞踏家は常に歩む。十一人の観客は二十代から七十代。観客がいなくても毎月踊る。幸せな時間が流れる。この匂いをどう舞台に持ち込めるか。期待できる
★今日は原宿ジェットロボットのセッション。ペルーから来たバイオリンのバウチは素晴らしい。ダミ、徹郎、ひらがしっかりとキープしつつ、時に弾けていく。自然と合っていく展開に委ね、新たな道を探りつつ音を出し、つながるとこれはまた魅力的だ。みなさんありがとう。
志賀信夫