追悼・河林満

★昨日友人の富岡幸一郎に会ったら、河林満の死を告げられた。最初に会ってから二十年近くたつだろうか。当時はよく呑んでいたが、最近は稀だった
渇水』で芥川賞候補になり、公務員の仕事を捨てて書き、文学に生きようとした。そして二十年。肉体労働の仕事現場に集合して倒れ、還らなかった
大作家ですら賞を求めて葛藤があったと聞く。芸術は競争ではない。しかし評価には比較と競争原理が導入されてしまう
与える側もそれはわかっている。大半は自分達も表現者だからだ
渇水』は文藝春秋から単行本になっている。いい小説だ
河林満の笑顔が浮かぶ
冥福を祈る
・写真は相国寺伊藤若冲

志賀信夫4-B