コグレアケミ、石本華江、白榊ケイ

中西レモンが主催する畳半畳は、その名の通り畳半分のスペースで三十分五組が踊る。有名無名ダンサーから知る人ぞ知るパフォーマーまで玉石混淆。
コグレアケミはショーダンス的衣裳ででてきながら、踊りっぼくないポーズの動き、前衛民族音楽のようなトーンとのミスマッチもいい。そして景の終わりに強いジャンプから回転して正座というインパクトがなかなか。黒沢美香ダンサーズとしての影響は見えるが、大野一雄、高井富子に師事した経験もじわりと垣間見える。
石本華江は闇を選んだ。誰も見えない闇で何か飲み、遊ぶ様子を音だけで感じる。やがて携帯電話の薄明かりで撮影したり踊ったり、微かに見えるところや着信音で踊るなど、楽しいノリだ。単純なアイデアだが実現させる気合いを買いたい
「踏み外し」東京バビロンの金澤舞踏館はまず若手。長くスタッフで舞踏に関わってきた呂師がいい。山本萌の息子るいは若いが意欲はありそう。和歌は顔が舞踏に合う。さらに白榊ケイのソロ。体の芯がしっかりしているために、すっと少し腰を落として立った姿がいい。舞踏の暗さを無理に求めずに優しさが漂う踊りだった。

写真はバレンタイン
志賀信夫