ヤスミン、ジュリ・ニオッシュ

ヤスミン・ゴデール作品は男女デュオで男が相手の動きを制限しながら作っていく世界。歪んだ感覚が誇張されたリアリティを獲得している。なにより灰野敬二のバイオリンと声の不快な音が効いている。
ジュリ・ニオッシュの作品は回転するプロジェクター装置に解体された牛が映し出され、ジュリが縄跳び、そしてジャンプといった単純動作を続ける。音は前半はベルベットのニコ、後半はドアーズの「this is end」。ゆらぐ個人を前衛の時代に比べながら描き、求める意識を立てようとする。両作品とも音楽が違うとかなり弱まるだろう
ウィーン美術史美術館展でクラナハを見る。見所はこのルクレチアなど数点。あの多くの風景画を好む人は多いのだろうか。
志賀信夫