ボテロ、コンドルズ、松下正巳

ブラジル出身でスイスで活動するギレーム・ボテロは、巨大な鮫のオブジェ三つに、奇妙な動きをする女性、マッサージの男と客という設定で、噛み合わない関係がダンスのような動きをつくる。冒頭の黒ビニールを被った男が息を詰める窒息感が、全体のトーンを決めている。他の作品もみたい
コンドルズ「HOMEY」は初演とあるが、見たネタの構成で新しいものは感じられなかった。ショーケース的にはいいのだが。
そしてテルプシコールで、松下正巳のソロ。大森政秀の天狼星堂出身。普段着でシンプルに踊りに入るさまは意欲的。俯せてから立ち上がる部分や、崩れる雰囲気はなかなかの感覚がある。しゃがんで両手を開き立ち上がる姿はすばらしかった。最後に倒れてからもう一展開あってもいいと思う。倒れた身体を再確認してみたいのだ。

写真は昨年の横浜トリエンナーレの作品から。トリエンナーレつながりというだけだけどね

志賀信夫