ダンストリエンナーレ2006

青山円形劇場とスバイラルホールなどで、ダンストリエンナーレが始まった。三年に一度のダンスフェスティバルで海外からも多くのダンサー、グループが参加する。22日の初日は上村なおかとカンパニー7273。
上村なおかの『最後の星』は横山愛とのデュオ。冒頭、下手奥から斜めに差す光の中、無音で横たわり極めて繊細な動きを見せる上村のなんと素晴らしいことか。照明と構成もいい。後半、もう少しメリハリのある動きがほしい景もあった。
7273の『シンプルプロポジシオン』はローレンス・ヤディとニコラス・カンティロンの男女デュオ作品。背中に「UN」とつけた小さい女と「DUO」とつけた大きい男が、並んで座り、女が横になり移動、男が同様に移動し、膝枕状態になる、から始まり、文節化された動きが僅かな抽象音のなかで様々に展開する。その動きの間の「間」が長く絶妙だ。それゆえに、次にどうなるか、考えながら楽しめる。踊らないノンダンスではあるが、動き一つ一つがよく考え構成された、「振付」ともいえるものだ。「一度動きを作ってからそれを切っていき、再構成するという作り方をしている」と語る二人の共同作品。抽象美術の影響もあり、一見簡単そうながら、よく考えられた、おもしろい舞台だった。
志賀信夫