合田成男、中村文昭、西川箕乃助

写真はテルプシコール舞踏新人シリーズ講評会の合田成男(左)と中村文昭。出演者五人に賞状授与、賞名説明の後、批評家による講評がある。厳しい意見も出るが、初めて来た観客は、こんな丁寧な会、踊り手のためになる会はないといった。他に講評者は佐藤正敏と僕。観衆や当人を前に語るのでなかなかこちらにも厳しいものがある。合田は合田節ともいえるものがあり魅力的。佐藤は音楽との関係が得意。中村は今回聞き手に回ったのがちょっと残念だった。
賞名は、ゾハ・コーエン「覆された空蝉」、ルーカス・レドンド「蒼い生蝉」、夕湖「狂える部屋」、相良ゆみ「脱げない背中」、小野由紀子「その掌の行方」、田村のん「月に狂へ」。
翌日は国立小劇場で西川箕乃助。人間国宝西川扇蔵の息子で、モダンダンスを学んだ経験もあるらしい。
鳥獣戯画』は再演だが、コミカルな動きが楽しいし、他の三人とのからみ方が興味深い。『のぞきからくり』は乱歩の『押し絵と旅する男』。からくり見せ物の中の女に恋する男を演じる。紗に投影、スモークなどを使いなかなか見せる。八百屋お七の人形で、火事になるという展開。最後にこれ自体がからくり芝居だったという転換があるといいかもしれないが、こういう試みはもっとやってほしい

志賀信夫