ジャン・サスポータスVS 斎藤徹

ピナ・バウシュのダンサージャン・サスポータスは、『カフェ・ミュラー』の最近の公演など存在感がある。パリで日本の合気道を学び、その来日のときは講師を勤めた。そして以前からセッションハウスでワークショップを行い、たまたまコントラバス斎藤徹とセッションして意気投合したという。斎藤は元藤あき子の晩年、共演し、資生堂での最後の舞台も一緒だった。
ジャンは冴えない眼鏡男、ワンピースの女性、派手な女など、演劇的要素で、踊らない動きの舞台が中心。特に手までで小人に扮するなど笑いも多かった。そしてシンプルに踊る場面では、ピナを思わせる長身細身の憂い顔と動きだが、踊ることをどう抑制するか考えているようだった。斎藤はよく知られた曲のフレーズから踊らせるという冒頭から次第にパーカッシブになり、フリーなソロではかなりいい入り方だった。セッション的なため、「作品」でない自由な生さが魅力の舞台だった。9.25
写真は24日に逝去された吉田玉男演じる曽根崎心中の平野屋徳兵衛
志賀信夫