成瀬は熱い、バットシェバ、ツマヅキノイシ

舞踏界の問題児、成瀬信彦が横浜ザイムで連続公演を敢行中。渡欧前として10日まで9日間連続昼夜公演で毎回違うゲストと精力的。絵画作品も飾りザイムの地下が怪しい世界に。3日日曜夜は檻の中、白塗り白い衣裳でギターの中川一郎とともに。アンビエントな音もよく似合う。成瀬の顔は若い頃の大野慶人のポスターによく似ている。髪と髭のある白塗り姿。成瀬は濃い喋りも大分落ち着き、優しい踊りだった
同じ日神奈川県民ホールではバットシェバ。イスラエルから久々の来日。ダンサブルかつノンダンス的、映像と観客巻き込み手法などさすが。思わず引き込まれ、かつ踊っていた
5日はスズナリでtsumazuki no isiの芝居。能力開発セミナーがテーマだが、スエヒロケイスケの脚本がまず、人間の暗い部分をえぐりかつペーソスがあって見事。かつ寺十吾の演出がダイナミックかつ繊細に役者の癖を生かす。トラウマ的な舞台は以前の大人計画に共通するところがあるが、大人計画はそれをエロとともにハレ化しようとするのに対して、ツマヅキはケ、あるいはストイックな世界に落とし込んで人間を探り続ける。カオスやイドといわれてきた世界を漂う希有な劇団といえるだろう
志賀信夫4-B
写真はメキシコから里帰りした岡本太郎の巨大壁画。赤っぽいがメキシコ太郎らしいかと。受入先はどこだろう。いま都現美で公開中