ケルパー、古舘奈津子

●サシャ・ヴァルツ『ケルパー』埼玉芸術劇場。体をテーマにさまざまな限界に挑戦。オブジェ的に扱うからこそ体が立つ作品。交互に重なった人間ミルフィーユ、さかしま下半身、皮膚肉リフト、肉体ショーケースなど、眩暈のする光景が展開する。黒板など、ボイス的ドイツ美術の流れも感じられ、身体追求が徹底した見事な作品。次はびわ湖ホール
トークを聞いたため走って枇杷系スタジオ。大橋可也振付けの古舘のソロ。こちらはうって変わってシンプルな装置だが、椅子の影など丁寧な照明と抑えた音が場面を作る。東野祥子を振付けた『ナイン』の系譜にあるが、大橋のコンセプトを共有し、神村恵組でもある古舘は、踊りと身体を初源的に捕えたソロを丁寧に作り出し、好演だった。
●写真は荒川修作三鷹・天命反転住宅での個展『モーフィング』。ダンス衣裳も手懸けるさとうみちよの服は、このカラフルな部屋を写真に撮りプリントしたものなど、斬新かつちょっとほしいもの。土日に日替わりでダンサーが踊る。今週はJOUと杏奈