大野一雄フェス、斎藤、トンミ

三日間の百歳記念フェス。横浜バンクアート。29日のトーク渡辺保は大野には俳優性、溶ける身体、西洋性があると語る。また中村文昭は、生も死も一つということは、自己と他者の境もなくなるとし、さらに舞踏の発生には戦争での価値観の崩壊が影響を与えたと語る。そして大野慶人が指人形で一雄の踊りを渾身の力を込め踊った。
それからスパイラルホールでダンストリエンナーレ。イデビアンの斎藤美音子のソロ「整形」は、「雨音はショパンの調べ」でドラムスティックを持ち踊る姿が印象的。斎藤には来年のジョセフ・ナジの舞台にも期待したい。フィンランドのトンミ・キッティはピアソラによるシンプルなソロと、ベース中心の音による男女のデュオ「螺旋」。オーソドクスだが、途中の一瞬のセクシュアルな関係が面白かった

写真は「ラ・アルヘンチーナ頌」初演の大野一雄。キリストのような姿に流れるのはバッハの平均律

志賀信夫