上星川、ジョナス・メカス

新しい雑誌『コルプス』のために大野慶人インタビューを行った。やや酔いながらの五時間は充実した時間だった。
大野舞踏研究所は相鉄の上星川駅から丘の上、昨年の今頃、ここにしばらくジョナス・メカスが来ていた。ダンサーやカメラマンと通い、大野と踊る姿を撮っていた。
メカスは周知のようにリトアニア生まれの映像作家で一世を風靡した存在。若い女性ダンサーで映像作家のヴィルジニー・マルシャンの作品としてブエノスアイレスで公開された。その日本での公開はその映像と素材、バッハを弾くオルガニストと生映像を四つのスクリーンに映しながらヴィルジニーが踊るのをメカスともう一人が撮るもの。メカスファンなどが六本木スーパーデラックスに集まった。
そのダンスはてんかん症と自ら名付けるように、トランス状態で白目を剥き痙攣するように踊るもの。最初はなかなか雰囲気があるが、よく見ると、「入る」らしい状態とそうでない状態があるようだ。横たわる大野に寄り添って踊る映像はなかなかいいが、このパフォーマンス自体に新しさはない。生メカスとその生映像が注目されたのだ。ただ深夜まで延々と踊り続け、撮り続けるパワーは凄い。
写真は右がメカス
志賀信夫