ティッツィアーナ、加藤道行

大野一雄舞踏研究所で、イタリア・ボローニャから来ているティッツィアーナ・ロンゴと加藤道行による舞台があった。フリーダ・カーロをテーマにした前半には圧倒された。よく似ているし、雰囲気がある。緑に赤の豊かな衣裳で、優美さを、白い下着で純粋さをだしたが、顔に巨大な薔薇をつけた姿はフリーダの絵のシュールさを現出し、素晴らしい。その抑えた動きは、外国人でも舞踏が可能だと確信させた。加藤の丸机に顔だけが浮かびあがる場面も印象的。
パーティには久しぶりに大野一雄も元気な姿を見せた。そのあと大野慶人が「死海」の一部を、和栗由紀夫義太夫で、ドイツからきたアンダソン・カサグランデが優美なソロを見せるなど楽しい一夜だった
志賀信夫