ケイ・タケイ@座・高円寺

ライトシリーズの新作。天井から吊された岩に見える茶色い袋の数々と中央手前の枯葉の山。ミニマルなピアノ音とともに進む前半、ケイ一人枯葉に絡み他はじわっと登場し動く。後半観客席も使い、広がりを見せようとする。さらに石を打合せる音。
しかし身体があまり迫ってこない。七十年代は自然な体によるポストモダン状況の中で意味を持った。が、自然な身体が舞台に載ることが当たり前になった現在、その必然が感じられなければ観客に届かない。腰を曲げたケイタケイの存在感だけでは弱いのだ。
振付家はある意味で時代とともにある。いまどういう舞台があり、求められているのかを知らずに、自分の世界がかつてと同様に認められるのは、難しい。少なくとも観客は既視感のある舞台を求めない。シリーズの新作という場合、文脈もあるだろうが、やはり見たことのない舞台を求める観客は多い。ケイタケイにはそれが可能なはずだ
★写真は座・高円寺隣の看板。ドキドキ
志賀信夫