名倉、野原一郎、プリュリエル

名倉ジャズダンススタジオ公演はとっても面白かった。青山劇場でゲストに鳳蘭、三木雄馬佐藤洋介、桑原文生などの若手実力派を迎え、楽しい舞台を作りあげた。冒頭の群舞から階段式に上下する舞台を生かし、迫力のある展開。ゲストも魅力的だが、五十人以上がパワフルに踊る舞台は圧巻。エンターテイメントでも薄っぺらでない力はさすがというほかない。ゲストダンサーと張り合うように踊る男性陣も盛り上がりの一因だろう
横浜ザイムでカナダのダンス。プリュリエル。観客は一人ずつ十分で、スクリーンに映るダンサーとともに動くと、かげとなった姿が別室に映し出される。観客が一対一ゆえに止むを得ず参加するのだが、なかなか面白い。シンプルでローテクな感覚がいい
京橋かねこアートは外れがない。野原一郎は模索のなかようやく自分の道が見えはじめた。フォルムはシンプルながら、ここ、と思わせるか曲がり方、ハレーションを起こしそうな色のインバクトもある。マチスならたやすく描くフォルムを自分の積み重ねで作る確かさがある。

志賀信夫